音声で完結するブラウザがもたらす非常に好ましい変化
スマートフォンの出現に見られるように、いつでも、どこでもウェブを見る事ができる大きな変化がありましたが、 それが今後その変化の次に来るもの、それは音声読み上げによる聴覚での情報の取得ではないでしょうか。
それはすなわち、自分の時間が「ながら作業」でのウェブ観覧、ウェブでの情報取得ができるようになる事です。
私もこのブログの過去記事でtwitter のニュースを音声読み上げて「聞く」機能を作った記事を書いていますが、これらの機能がいずれスマートフォンなどの携帯デバイスにおいては標準的な使用方法になるという気すらしています。
ニュース専門ラジオがないので棒読みちゃんとcygwinで自分で作ったよ
また、10年ほど前から視覚障害者向けの音声読み上げブラウザ自体はありました。しかし、それは基本的にはパソコンの前に座って使うものであり、スマートフォンなどの「移動しながら使う」デバイスに向けて考えられているものではありません。
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音声読み上げ技術はほぼ実用段階
私がパソコンで読み上げ機能を使ったニュースラジオを作った事からもわかるように、音声読み上げの技術そのものは、もう現時点で十二分に実用段階にあると言えます。
ただ、それらの操作方法、もしくはコンテンツとの連携が現時点ではまだ、うまく考えられていない、もしくはその統一形態が考えられていない事が現在の音声読み上げの普及が進んでいない原因であると私は考えます。
また、音声読み上げの場合、リンクの処理をどうするか点も考えなければならない事項です。ただ、それは技術的に難しいというのではなく、作り手側の商業的な思惑の絡んだ問題であるのですが。
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音声のみブラウザの商用利用に対するハードル
それは広告の問題です。特にアフィリエイト系にとっては大打撃でしょう。
現在のweb ページにおける収入方法とは、このブログ行っているような広告の表示という方法があり、また、私は行なっていませんが、アフィリエイトと呼ばれるリンクを掲示し、そのリンクか観覧者がモノやサービスを購入する事によって収入を得るというタイプの広告の2種類に大きく分ける事ができます。
しかし、音声読み上げとはその両方ともが使用することができない、もしくは使用すると場合、本文中に広告を混ぜるという、現在の web においては「ステルスマーケティング」として最も嫌われている手法を取り入れなければならないというジレンマに陥ることになります。
また別の方法としては。新聞社などがテキスト情報を有料で配信する方法であれば金銭的に成り立つのかもしれませんが、それもどこかの新聞社が余程強いリーダーシップを持って長期的な視点で構築を覚悟しないと難しいことかもしれません。
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フリーソフトの潮流となる事を期待
どちらにせよ、現時点で音声読み上げ技術自体は実用レベルで存在していることはたしかなので、スマートフォンを使う人々が音声読み上げブラウザの利便性に気づき、音声読み上げブラウザがスマートフォンで一定の勢力を持つ事によって、開発の促進、またそれに対応するコンテンツの増加などが望まれます。
技術と、それの普及は人々の思惑で全く異なる、という一例ですね。