むしろテレビよりも好ましいメディアとなる可能性
ラジオは今後、むしろテレビよりも生き残る可能性が高いのではないか、と私は本気で考えます。
なぜならば、ラジオはテレビにはできない「ながら聞き」をする事ができますし、番組の制作費もテレビとは桁違いに安価に制作することが出来ます。
ラジオ基本的には聴覚情報ですが、しかし、webとの連携をする事によりパーソナリティなどの写真を載せる事も出来ます。
また、アメリカのラジオパーソナリティが一人で編集、配信などを全て行う事も実際に行われているようです。
広告
過去の履歴をサーバ上で公開する選択
ラジコというアプリもありますが、それよりも更に手軽に、誰でもブラウザがあればアクセスしうる、アーカイブを充実させるべきではないでしょうか。
有料ではなく、ウェブで過去のアーカイブをすべて無料で公開する、勿論、アドセンスや何らかの広告を掲示し、そこから収入を得る、というパターンです。また、必要に応じて「CMのみ」の差し替えなども有りうるのではないでしょうか。
今の時代、音声情報を保存するためのストレージはタダに近い状態ですから。
もちろん、そのためにはスポンサーとの契約内容の変更や、現在youtubeなどに無断でアップロードされているラジオ番組の削除などは絶対的な必要条件となりますが、インターネットとラジオは極めて親和性の高いメディアと言えるでしょう。
無論、YouTubeへの無断アップロードは好ましくない行為ですが、ラジオ番組のファンが純粋に「個人的なアーカイブ」として公開している気持ちは理解できなくはありませんが…。
もはや、ラジオ現在の「聴取率」という考え方ではなく、最終的な聴取回数を指標として番組を制作するべき時期が来ているのかも知れません。
そうする事によって、一度番組を制作してしまえば、5年10年とそのコンテンツが微々たる者ながら金銭を得てゆく可能性が生じるのですから。しかも、それは大手の放送局ではなく個人ですら可能になる状況になるでしょう。
その方が中長期的に見た場合、質の高い番組を作れるとも考えます。
現在のテレビが視聴率至上主義で、タレントなどを出さざるをえない中で、ラジオが自ら構造変化を行い、中長期的な視点を持った番組制作を行うのであれば、ラジオは確実に復権するでしょう。
広告
多様化する情報の中で、音声情報はベースとなる
インターネット上では様々なサービスや映像に特化したサイトがビジュアルベースのwebとして溢れています。しかし、それらはビジュアル表現である、すなわち、その情報を受け取る側がそのコンテンツに注視する必要があります。
それに対し、ウェブとしてのラジオの聴覚表現であれば、自分が好きな時に、「ながら聞き」で情報を受け取る事ができます。
これは今後インターネットの世界で情報が増えていく中で、他のコンテンツとの共存などの考える事ができるでしょうし、非常に有効なコンテンツではないでしょうか。
結局、読む行為とは、視覚情報をそのコンテンツに割り当ている事により、集中を要求される行為です。
また、それにもかかわらず、現在の電子メディア、それはインターネットやいわゆる電子書籍を含めて、それらは決してそれらの操作性が良いものとは言えませんし、また、目も疲れやすいものです。
もちろん、電子書籍は一定程度には目には疲れない作りはされていますが、その引き換えとして、非常に操作性が劣悪な状態にあります。
ザッピングのできない書籍など一体何の存在価値があるのでしょうか。
広告
新しい情報の受け取り方としての聴覚情報
また、これとは全く違った流れとして、音声情報は、「テキストを読み上げる」事によってラジオ代わりとする事も可能になっています。
これまでの人間が読み上げるアナウンサーが存在するラジオのあり方ではなく、誰かが作ったテキストをパソコンが読み上げる事になります。
それは、これまで多くの人件費がかかっていたラジオが、究極的には一人で、しかも、作る事のできる状態になりつつあるのではないでしょうか。
もちろん、現在では読み上げの音声はまだ若干不自然な部分はありますが、おそらくあと5年、10年の間には非常に細かな部分まで人間そっくり読み上げをできるようになるでしょう。
それはある意味ではネットラジオと事考える事ができるかも知れません。ただ、現在のネットにしたところで、それは無駄に重い画像や無駄に重いJavaScriptなどによって、パソコンのリソースを無駄に消費している状態ですから、今後、音声で読み上げる事を前提としたテキストが主流となれば、新しいメディアとしてラジオは進化する可能性を持っているのではないかと考えます。
もちろん、その際には現在の資格広告のような、音声の広告メディアも出現するかもしれません。
ただ、果たして、それをラジオと呼ぶ事が適切かどうか事を問われるとそれはNoと言わざるを得ないかも知れませんが。
しかし、いかなる形であっても、音声、音源で発信されるコンテンツは今後、大きな可能性を秘めていると考えます。