今更なのですが「ポケットコンピュータ入門」(アスキー社出版)を読みました。私は普段プログラミングをしているので、その中でvbなども触るため、ポケットコンピューターはbasicを使用してることもあり、それらの始祖的な言語であるため、なかなか楽しく読むことができました。
パソコンの進化は思ったよりは遅い
この本の中で「パソコンは将来我々の生活に欠かすことのできないものとなる」という表現がされていて、その実際の予想などもされているのですが、この本が出版されたのが1981年であり、その中で10年以内には予想可能になるものとして、パソコン通信、つまり、遠隔地のデータベースへのアクセスを「電話で」行うなどが書かれているのですが、残念ながら実際にそれが実現されたのはwindows95が出たくらい、つまり実質的には20年ぐらい立たないとそれらは実現されませんでした。
これを考えると、パソコンを使った夢物語とは、実際は我々が想像しているよりも少し遅い時間になるのではないかと思ってしまいました。
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プログラミングは結局、誰もができるものではないない
また、この本の中ではプログラミングはそんなに難しくないものとしての書き方がされているのですが、今、私は普段プログラミングをしているのですが、その意見には甚だ疑問です。
もっともプログラミングライクなソフトウェアとしてのエクセルにしてもですが、エクセルはプログラミングを勉強してない人でも、そこそこプログラミング「を行ったかのような」使い方を出来ると言うソフトウェアなんですよね。
私の場合エクセル関数を必要以上に使うのは、まどろっこしいのでvbaで処理することが多いのですが、結局プログラミングとはいくらガジェットが進化したとしても、プログラミング勉強する労力そのものは何一つ変わってない状況なのでしょう。
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ハードウェアは進化したが結局ソフトウェアを作るのは人間である
ポケットコンピューターがもてはやされた時代から40年近くが経ち、ハードウェアは確かにものすごく進化しました。またプログラミング手法ではb言語系からc言語系がメインとなり、そこにオブジェクト指向などの考え方も出てきました。
ただ、では、それが作る側にとって便利になったか、もしくは楽になったのか、といえば、それは全く全然違う話です。プログラミングの分野はさらに細分化し、技術は日々に新しいものが登場し、そして淘汰されていくという状態です。
つまり単なるユーザーであれば便利になったのかもしれませんが、結局プログラミングを組むという仕事については、そんなに楽になってはないのかなと言う気がします。
むしろ逆に、この本を読んでいるとポケットコンピューターでどの様にして実際の入力などを行ったかを理解できる様に描かれているのですが、よくぞこの様な一行表示のポケコンでプログラミングをしたものだと、感心してしまいます。
やはりプログラミングをする時に良いエディタを使うことは効率化のために必須条件ですから、当時の、一行表示かつゴムの小さなキーボードで入力をしていた時代から比べるとハードウェア的には非常に入力はしやすくなったものと思います。
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今の時代にポケットコンピューターは生き残るのか
せっかくポケットコンピューターについて書いているので、では、現在ではポケットコンピュータの使いみちは全くないのか、と問うと、決してそうではないとも考えます。
スマートフォンは、これは小さなコンピュータと考えることが出来ます。実際アンドロイドなどであれば誰しもがプログラミングをすることができます。(ただ、それがプログラミングを行う敷居が低いか、と言うとそんなことは決してありませんが)
ただ、ポケットコンピューターの現在でも使用する状況によっては十二分に必要になるのではないかと私はこの本を読んでいて思いました。
ポケットコンピューターとは、入出力のハードウェアを持ち、全て一台で完結しているメリットがあります。しかもハードウェアキー入力可能です。
一定の数値入力の計算、この本にも書かれているのですが生命保険の元本の複利計算など、フィールドに近い部分で、ハードウェアが一体として完結する場合は、まだまだ使うことのできる可能性はあるかもしれません。
事実、測量の計算の分野などではつい最近までポケットコンピューターが実用として使われていたと聞きますし。
逆に、今のスマートフォンが周りにはソフトウェアキーボードが必要以上に「普及しすぎた」とも言えるかもしれません。
実際、ポケコンのサイズで5-6行程度の液晶表示があり、その中にLinuxが動き、かつWi-Fiなどに接続可能であれば、非常に面白いガジェットであると思うのですが、最近、このようなガジェットはありませんね…。